14 降り止まぬ雪_守門大岳(2010年3月7日)

 20日に守門大岳雪庇ツアーの会山行を控えて、この土日に下見に行く予定であったが天候が思わしくない。
6日は雨、出かけられず。7日の魚沼の天気予報は朝方まで雨、日中は曇り、夕方からまた雨であった。
気持ちは揺れ動く。
今回は下見なのだから別に晴れていなくてもいいじゃないか、目的は新潟から登山口の二分までの移動時間、途中の待ち合わせ場所とトイレ休憩の場所の確認、それと保久礼小屋までのアプローチの確認なのだからと自分に言い聞かす。
しかし、新潟の空は非情であった。
6時に出発と決め、5時には起きていたが、窓を開けて見ると激しくは無いものの氷雨が降っている。思わず身震いする。気分が乗らない、気が重い。
やめよっか、来週工面して行ってくればいいじゃないかと逡巡する。
まるっきり気分も動作も緩慢で、結局、出発は30分遅れの6時半になってしまった。
北陸道を一路南下していくと、氷雨が霙に変わり、長岡に入る頃にはそれが雪に変わっていった。
そして、栃尾に入ると道路もすっかり白く覆われ、車の轍の跡だけが2本の筋となって続いていた。
二分集落先の除雪端に着いたが、そこは自分の背丈ほどの雪の壁、車10台分位の駐車場所が確保されていた。冬季間はここが登山口なのである。

          除雪端、駐車場所脇の雪景色
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 晴れるとスキーヤーが沢山訪れるのでこの駐車場所はすぐに満杯になり、順次路肩に停めていくことになる。
駐車場所の脇は破間川の支流の西川が水音高く流れていた。
破間川は小出に出ると魚野川となりさらに小千谷で信濃川に合流し日本海に注いでいる。
この水は、自宅のすぐ横に通じているのだ。
多くは無いが、相変わらず雪は降り続いていた。
こんな天気にも関わらず、車が2台停めてあった。こんな所に停めるのは山に入る人以外考えられない。
先行者が居るということは何にも増して心強いものがある。
冬の山は、登山ルートはあっても登山道と言うものは無い。守門大岳にはここ何年か毎年来ているとは言え会山行で来るとなるとルート確認は怠れない。
昨年歩いたルートをGPSにしっかりとインプットはしてきたが、先行者のトレースがあればこれに越したことはない。
最初からワカンを履いて出発した。雪は固くほとんど潜らなかった。
2本の線のトレースはスキーの跡、それと平行したり交差したりしながら続いているのはスノーシューの跡であった。先行者はどうやら2人のようであった。既に薄く雪を被っていることより恐らく30分前には出発したものと思われた。

          幾重にも筋の入った帽子を被った保久礼小屋、
          見えているのは2階の窓です。
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 2時間弱、ほとんど迷うことなく保久礼小屋に着いたが、途中2箇所に赤布を付け、さらに2箇所にルート旗を立てた。ルート旗は夫々2本、転換点に1本と帰路の方向を示すようにその手前10mの位置に1本立てておいた。
雪は降り続いている。恐らく帰りには自分のトレースは消えているであろう。
さらに、度々後を振り返り、辺りを見回して帰路の目印となるものをできるだけ頭に叩き込んだ。

         下山時自然に左方向に向きそうなので、右への目印を立てました。
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 保久礼小屋でザックを降ろし一息入れた。ホワイトアウトではないけれど視界はすこぶる悪い。
ここから大岳頂上まではほぼ一本調子の登りが続き、尾根を外さなければほとんど迷うことは無いが、頂上直下はだだっ広い雪原になっているため下山時視界不良の時はむしろ迷い安い。
今日の下見は保久礼小屋までで良いと思っていたので一応は目的を果たしたことになる。
ここでまた逡巡した。行こうか戻ろうか。今戻ればトレースはまだ残っている。
保久礼小屋の周りを一回りしながら空を仰いだ。
すると何と空が明るくなってきたではないか、しめたこれなら雪庇が見られるかも知れない。
急いでザックを背負い登り始めた。
しかしそれはほんの僅かな時間でしかなかった。相変わらずひらひらと雪は降り続き、視界は登るにつれてますます狭くなっていった。
キビタキ小屋(避難小屋)まで行ったら引き返そう、そう思いながら登って行った。

   見事な橅の変形木                    その上部、宿り木が巣食っていました
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          キビタキ小屋(避難小屋)、入口は雪の下です。
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 キビタキ小屋は切妻の部分だけ見せてすっぽりと雪に埋もれていた。
どうやら、入口のところだけ誰かが掘り出してくれたようである。
ここで戻るはずであったが、ここまで来ると惰性がついてくる。欲も出て来て、もう少し登ってみるかとなってしまう。
やがて樹氷となった立木も疎らになり、晴れていれば頂上が指呼の先に見えるのにと思えども、視界はさらに悪くなっていった。
50mほど先に、ぼんやりとピンクのテープをつけた樹氷が見えた。
そこまで行って、そろそろ潮時だなと時計を見ると調度12時であった。
ここで前進を停止した。標高1250m、頂上まで距離にして700mの地点であった。

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 ザックを降ろし、立ったままパンを齧っていると、上の方で突然「ザザッザアッ~」という音がした。振り返るとスキーヤーが1人立っていた。
大岳頂上まで行き滑り降りる途中であった。挨拶をし、上に誰かいるかと問うと、スノーシューの男が1人登って行ったと答えた。
この2人が先行するトレースの2人であった。
視界が悪い上に氷のように固い雪、その上に10cmくらいの新雪が覆っている斜面、スキーヤーは大分難渋している様子であった。
テレマークで滑っていたが、この雪の状態には向かないようであった。ターンしては止まり、ターンしては止まりながら慎重に降りて行った。
こういう時はエッジを効かせたカービングスキーの方が合っているなと内心思った。

          雪を纏った立ち木、小さいながらも“海老の尻尾”が発達していました。
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     右を見ても左を見ても上を見ても、静寂さを通り越して不気味なくらいの景色です。
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 さて、自分もこんな所に長居は無用、ザックを背負い、見えなくなったスキーヤーを追っかけた。
下りはもう一目散、どうやらトレースもまだ見えていたので、キビタキ小屋も保久礼小屋も横目で見ただけで休まずに麓まで降りて行った。

         途中のブナ林
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          キビタキ小屋、上から見ると雪の小山です。
          登る時に、目印に赤旗を立てて置きました。

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          横目で見て通り過ぎた保久礼小屋
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 最後の急斜面をトラバースしていると後からスノーシューの男が「トレース使わせてもらいました」と一声かけて追い抜いて行った。
すごい速さ、かなり体力のある方だった。
最後はゆっくり、余韻に浸りながら愛車の待つ駐車場所へと歩いて行った。
この頃になってようやく雪は降り止み、空も明るくなってきた。

          この急斜面を降りればもうすぐです。右の森が目指す方向です。
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       降り切りました。晴れていれば大岳がどっしりと見える場所。
       後は川沿いに歩くだけです。

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     歩いた軌跡
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       TP積算距離    :約10.6Km
       総上昇量      :約872m
     総所要時間(休憩含):約5H12分
                    (登り約3H02分、下り約1H38分、休憩約32分)


     行  程
二分8:40-10:32保久礼小屋10:50-11:23キビタキ小屋-12:00前進端12:14-12:26キビタキ小屋-12:40保久礼小屋-13:52二分



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          会山行当日は晴天に恵まれますよう・・・・・・・・
          祈りながら帰路につきました。
















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この記事へのコメント

2010年03月11日 09:03
はじめまして!初めてコメントします。
守門岳の雪庇が見たくて昨年の秋に下見を兼ねて初めて登りました。
まだまだ雪でおおわれているんですね。
とても参考になりましたが登れるのかチョット不安になりました。
3月の末あたりの晴れの日をねらって行けたらいいのですが!
2010年03月11日 18:53
こんにちは。
下見とはいえ、相変わらず、まねのできない所業をなさっています。
とても下見とは思えません。
当日は晴れて、東洋一の雪庇を拝見できるのを楽しみにしております。
前の記事の三角点めぐりも、オリエンテーリングみたいで楽しそうですね。
2010年03月11日 19:21
今晩は。
下見ご苦労様でした。
今年は私も行こうかなー と思っていますが・・・。
数年前に甘納豆さんと前後して登った時の、私の軌跡とは少し違うようでした。
その時は保久礼小屋の直ぐ下まで沢沿いに歩き、直登しました。帰りは今回のコースと同じようでした。
あの時は雪は少ない方でしたが、今回はかなり多いようですね、。雪庇もかなり出張っているでしょうね。
KEN
2010年03月11日 20:17
ご苦労様」でした、こんな下見があるから楽山会の山行は安心して行けます。大勢の人達を背負うリーダーに感謝します。この山はスキーで是非参加したいところですが、残念ですが予定あり参加できません、次回是非宜しくお願い申し上げます。
甘納豆
2010年03月11日 21:56
izumiさん今晩は!
コメント戴きありがとうございます。
早速、貴ブログyama365のいくつかを拝見しました。
楽しい山行レポ、気持ち良く読ませて頂きました。
同じ日に北横岳(北八ヶ岳)に登られたのですね。そちらも天気が芳しくなかったようで。
でも山は良い時もあれば悪い時もあります。めげずに登りましょう。
東洋一の守門岳の雪庇、一見の価値がありますので是非お越し下さい。
私のレポは恐そうに書いてありますが、3月下旬の晴れた日ならそんなに心配要りません。スキーヤー中心に沢山の人が登っています。道もしっかりついているはずです。
ただ、3月と言ってもまだ冬山です。十分な心構えで入山して下さい。
よろしかったら昨年のレポも参考に見て下さい。
http://amanatto.at.webry.info/200903/article_2.html
それでは、今後ともよろしくです。
甘納豆
2010年03月11日 22:06
本読みと山歩きさん今晩は!
ありがとうございます。
角田の三角点巡り、そういえばオリエンテーリングみたいですね。
ただ違うのは、リーダーが先頭で引っ張って行ってくれる点です。
何も考えずに付いて行くだけ。気楽な山行でした。
今回の守門大岳、かなり割り切った入山でした。レポするほどではありませんでしたが、いろんな山の顔を紹介するのも面白いかなと思いまして。
大袈裟に書いてありますが、小雪無風でしたのでそれほど恐い山ではありませんでした。ルート旗を立てたのも1つの練習です。
本番当日は是非晴れて欲しいものです。
甘納豆
2010年03月11日 22:15
インレッドさん今晩は!
いつもありがとうございます。
ここ何年かは雪が少ない年が続きましたが、今年は今までより多いように感じました。ただ、頂上まで行っていませんので何とも言えませんが。
ヒメサユリさんの2月24日のレポを参考にして下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/himesayuri0705/50264190.html
是非きれいな写真のデジブックを見せてください。お待ちしています。
甘納豆
2010年03月11日 22:24
KENさん今晩は!
いつもありがとうございます。
確かに山での安全は何事にも変えがたいものがあります。
念には念を入れよとも言います。
こんな日にと思いましたが、この週末は予定があるため出かけざるを得ませんでした。
でも負け惜しみではありませんが、こういう山の姿を見ておくのも下見の内かなと思います。
大岳のスキー、機会があれば私も滑りたいと思っています。担いで登るしかありませんが。
かめ・ふふふ
2010年03月12日 08:25
甘納豆さん 雪山の下見 重要ですね
1人で行くならぶっつけ本番でも良いのでしょうが 大勢の方々を案内するにはやはり確実にルートを確かめておく必要がありますね。年により雪の状態は全く変わります。先週なんともなかったところが今日は通行不能なんて良くあることですし・・・・
ブログ先輩のEVA父さんが翌日8日に二分から同じように登ってらっしゃいました。スキーで同行3名。やはり曇りで視界不良。それでも中津又を廻って中津又尾根から保久礼小屋裏へ滑り降りていました。登山者も数名居たようです。
かめが登ったのは4月末でしたから雪も大分落ちてしまっていました。3月に登ってみたいですね。
NISI
2010年03月12日 11:11
下見、ご苦労さんでした。
今は12階のラウンジから山や海をみています。
山に行きたいですが今は我慢。少し休養します。
甘納豆
2010年03月12日 20:42
かめ・ふふふさん今晩は!
ありがとうございます。
早速EVA父さんのブログ拝見しました。
翌日もガスっていたようですね。それにしても雪庇のクラック、恐い!!!
会山行の雪庇ツアーは、20日ですが、21、22日を予備日にしています。
晴れるのが絶対条件です。
気まぐれお天気さんにただただお願いするばかり。
甘納豆
2010年03月12日 20:49
NISIさんありがとうございます。
今日は良い天気でしたね。
さぞかし歯切りしながら山や海を見ていたことでしょう。
でも今は我慢の時、全てを忘れてリカバリーに努めて下さい。
晴れてまた復帰した時に一緒に山に登りましょう。
その頃は、川内の山が旬の時期です。
P_P
2010年03月14日 19:48
はじめまして。ノリ面付近でトレース頂いたスノーシューの男です。まさか甘納豆さんだとは思いませんでした。度々拝見させて頂いております。1100m付近のピンクのテープですが、自分用の目印にと簡単に結んだものでしたので、帰りに回収しました。念のため報告致します。
甘納豆
2010年03月14日 22:12
P_Pさん今晩は!
今日は会山行で室谷の大戸沢山、舟クボ山に登って来ました。
午前中は小雪そして曇りでしたが午後からは素晴らしい天気でした。
これから写真を整理するところです。
大岳で顔を合わせたのは僅かな時間でしたが、私にとってはスノシューの足跡に導かれ励まされていましたので、道中ずっと一緒でした。
トレースに感謝するのは私の方です。ありがとうございました。
山での目印の件、承知しております。
目印は自分らのためだけに付けるもの、従って帰りには回収する。
そうでなければゴミと同じですもの。
ただ、今回は貴方の付けたピンクのマークがすごく印象に残りました。
目印を通り越して、白濁した静寂の野に咲くバラの花のように感じました。
素晴らしく目立つ存在でした。
本当にありがとうございました。
幣ブログも見て下さっているとのこと嬉しい限りです。
これからもよろしくお願い致します。

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